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『平兵衛さん』のおはなし |
そういって、いえにもってかえると、やいたおさかなや、おさしみにかけてたべてみました。なんともいえないおいしいあじがしました。 「おいしい。おいしい。こんなおいしいものははじめて食べる。」 へえべえさんは、つぎの日、実がなっていた木から、えだをとってきて、じぶんの家のちかくのはたけにたくさんうえました。 「はやく大きくなって、おいしい実をたくさんつけちゃれよ。」 なん年かして、木が大きくなって、おなじような、いいかおりのする実がたくさんなりました。へえべえさんは、その実を村の人たちにもわけてあげました。 「なんといいかおりのする実だろう。」 村の人たちも、口ぐちにそういいました。 それからというもの、そのはなしをききつけ、となり村からも、そのとなりの村からも、その木をわけてもらおうと、たくさんの人がへえべえさんをたずねてきました。 へえべえさんは、いやなかおひとつせず、ほしいという人たちに、じぶんのそだてた木をわけてあげました。 こうして、日向の国には、へえべえさんのあげた木がどんどんひろまり、たくさんしゅうかくされるようになりました。そして、いつしか、村の人はこの木の実のことを、へえべえさんのなまえをとって、「へえべえず(へべず)」というようになりました。
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